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断水したらエコキュートから水を出す方法|共通の5ステップと、断水前・復旧後の注意点


断水のニュースを見て、「うちのエコキュートからも水が出せると聞いたけれど、やり方を知らない」と気づいた方はいませんか。貯湯タンクには、常に370リットル前後の水やお湯が貯まっています。それでも、取り出し方を知らなければ、目の前にある水を使えません。

手順は、メーカーや機種で少しずつ違います。この記事では、共通する流れを5つのステップにまとめ、各社の案内の違いを紹介します。あわせて、見落とされがちな「断水する前にやっておくこと」と「復旧したあとの戻し方」も説明します。

大切な前置きです。この記事は、手順を理解するための案内です。実際に作業するときは、必ず自宅の機種の取扱説明書や、タンクに貼られたラベルの手順を優先してください。機種や設置年によって、手順や部品が異なります。作業が不安なときや、機器に異常があるときは、無理をせず、メーカーまたは販売店に連絡してください。

なお、この記事の内容は、2026年10月6日時点で確認した公式情報にもとづいています。

エコキュートの水は、断水時に生活用水として使える

貯湯タンクには370〜460リットル前後の水が貯まっている

エコキュートは、電気代の安い時間帯に、空気の熱を使ってお湯をつくり、貯湯タンクに貯める給湯器です。ふだんは、タンクの熱いお湯と水道水を混ぜて、適温のお湯を出しています。

そのため、断水して蛇口から何も出ないときでも、タンクの中には水が残っています。戸建て向けの容量は、370リットルや460リットルが一般的です。環境省の調査(2023年度)では、戸建て住宅の約3割が、電気ヒートポンプ式の給湯器を使っています。決して珍しい設備ではありません。

エコキュートと電気温水器の違いは、「【2026年】エコキュートと電気温水器の違いは?電気代・費用・補助金で選ぶ5つのポイント」で説明しています。

飲み水ではなく、生活用水として使うのが基本

タンクの水は、そのままでは飲めません。煮沸すれば飲めるかどうかは、メーカーで案内が分かれています。

  • ダイキン、三菱電機:よくある質問で、飲用するときは、一度沸騰させるよう案内しています。
  • パナソニック:断水時のよくある質問では「煮沸してから」としていますが、断水時の注意を書いたページには「飲用は避ける」とあります。ページによって案内が違います。
  • コロナ:非常用取水栓から取り出した湯水は、「飲用は避けてください」としています。
  • 日立、東芝など:取扱説明書や公式サイトでご確認ください。

案内が分かれているため、この記事では、「タンクの水は、トイレ、手洗い、掃除などの生活用水として使い、飲み水は別に備蓄する」ことをおすすめします。詳しい条件は、「エコキュートのタンクの水は飲める?煮沸の条件と、地震で倒れないかを確かめる3つの方法」でまとめています。

停電と断水では、使い方が違う

災害では、停電と断水が同時に起きることもあります。ただし、エコキュートの扱いは別です。

コロナの案内によると、2008年4月以降のモデルは、停電中でも、貯湯ユニットにお湯が残っていれば、シャワーや蛇口からお湯が使えます。ただし、浴槽へのお湯はりはできません。2008年より前のモデルは、基本的に使えません。リモコンのタイプによっても、対応が分かれます。

一方、断水のときは、蛇口やシャワーからは何も出ません。水道からの給水が止まっているためです。このときに使うのが、タンクの下にある非常用取水栓です。

断水する前にやっておくこと

給水専用の止水栓を閉じる

もっとも大切なのは、断水に気づいたら、まず「貯湯ユニットの給水専用止水栓」を閉じることです。水を取り出すことより先です。

コロナは、断水するときや、近くで水道工事があるときは、貯湯ユニットの給水専用止水栓を閉じるよう案内しています。パナソニックも、給水元栓の場所が分かるときは閉め、場所が分からないときは、給湯側の蛇口を開けないよう案内しています。

止水栓は、貯湯ユニットの下のほうや、給水配管の途中にあるバルブです。断水していない今のうちに、場所を確かめておきましょう。

なぜ先に閉めるのか:濁った水の流入を防ぐため

理由は、復旧した直後にあります。

復旧直後の水道水には、配管にたまったさびやごみが混ざり、濁っていることがあります。このとき、止水栓が開いたままだと、濁った水がタンクに入ってしまいます。

コロナは、水の汚れがなくならないうちに止水栓を開けると、濁った水がストレーナ(異物を取り除くフィルター)を目詰まりさせ、お湯の出が悪くなったり、お湯が濁ったりする原因になると説明しています。断水が数日で終わっても、機器に濁った水を入れると、その後の生活に長く影響します。

余裕があれば、貯湯量を増やす

台風など、断水が予想できるときは、事前にタンクを満たしておく方法があります。

三菱電機は、「満タンわき増し」という機能を案内しています。設定した日は、解除するまで何度でもタンク全体を沸き増しし、夜間の時間帯になると自動で解除されます。名前はメーカーで違いますが、似た機能がある機種は多くあります。リモコンの操作方法を、一度確かめておきましょう。

浴槽に水をためておく

三菱電機は、断水のときの生活用水を確保する方法として、浴槽に水をためることも案内しています。タンクの水と合わせれば、トイレ用の水として役立ちます。ただし、小さな子どもがいる家庭では、おぼれる危険があります。浴室のドアに鍵をかけるなどの対策をしてください。

基本の手順:共通する5ステップ

メーカーで細かい違いはありますが、流れはおおむね同じです。各社の案内を並べると、次の5つに整理できます。作業の前に、自宅の取扱説明書で、手順と部品の位置を必ず確認してください。

ステップ1:漏電遮断器(ブレーカー)を「切」にする

まず、貯湯ユニットの漏電遮断器を切ります。ダイキンは、正面下部の点検口を開けて、漏電遮断器を「オフ」にするよう案内しています。日立も、漏電遮断器のカバーを開けて「OFF」にする手順です。パナソニックも、本体の電源(漏電しゃ断器)を「切」にしてから、水を取り出すよう案内しています。

水を取り出す作業は、電源を切ってから行います。

ステップ2:給水の止水栓を閉じる

給水配管の途中にある止水栓を閉じます。「給水止水栓」「タンク専用止水栓」など、呼び方はメーカーで違います。断水に気づいた時点で閉じていれば、このステップは済んでいます。

ステップ3:逃し弁のレバーを上げる

知らないと、つまずきやすいステップです。貯湯ユニット上部の点検口を開け、中にある逃し弁のレバーを上げます。ダイキンは「正面上部の点検口を開け、中のレバーを上げる」、日立は「逃し弁のレバーを上げる」と案内しています。

これを飛ばすと、取水栓を開けても、水がほとんど出ません。理由は、次の項で説明します。

ステップ4:非常用取水栓にホースをつなぐ

貯湯ユニットの下にある非常用取水栓に、ホースをつなぎます。ダイキンでは、付属の「非常用水取出用ホース」を、取出口の栓に差し込みます。ホースは、機器に付属していることが多いのですが、長い間にしまい込んで、なくなっていることがあります。今のうちに、置き場所を確認しておきましょう。

ステップ5:栓を開けて、容器で受ける

取水栓を開けて、水を取り出します。ダイキンは、栓を左に回して取り出し、「2回転以上まわさないでください。栓が外れます」と注意しています。日立は、タンク排水栓のねじを外し、ハンドルを左に回す手順です。

必要な量を取り出したら、栓を右に回して閉じ、逃し弁のレバーを下げて、ホースを外します(ダイキンの終了手順)。

なぜ逃し弁を開けないと水が出ないのか

貯湯タンクは、密閉された容器です。下の取水栓を開けても、出ていった水の分だけ、中の空気が足りなくなり、水が流れ出ません。ストローの上の端を指でふさぐと、中の水が落ちてこないのと同じ現象です。

上の逃し弁を開けると、そこからタンクの中に空気が入ります。すると、下の取水栓から、水がスムーズに出ます。「上を開けないと、下から出ない」と覚えておくと、手順の意味が分かりやすくなります。

メーカー別の案内と確認先

同じメーカーでも、型番や設置年で手順が違います。最終的には、自宅の機種の取扱説明書や、各社の公式の案内で確認してください。

パナソニック

公式サイトに、断水時の取り扱いのページがあります。本体の電源(漏電しゃ断器)を「切」にし、タンク下部の非常用取水栓にホースをつないで、タンクの水を使う、という案内です。タンクの水は生活用水として使い、飲用は避けるよう書かれています。ラベルが貼られている機種もあるので、実物も確認しましょう。

ダイキン

非常用水の取り出し手順を、順番に公開しています。漏電遮断器をオフにし、外板を外し、給水止水栓を閉め、逃がし弁レバーを上げ、付属のホースを接続し、栓を左に回して取り出す、という流れです。「2回転以上まわさない」「熱いお湯が出るため、火傷に十分気をつける」という注意が書かれています。

三菱電機

自然災害や停電・断水のときの対応を、1つのページにまとめています。次の4つの資料(PDF)があります。

  • 停電・断水時にご注意いただきたいこと
  • 停電時・断水時の処置に関するお知らせ
  • 備え付けのエコキュートの使いはじめ
  • 断水時と復旧時の注意点

また、機器が浸水したり壊れたりしたときは、200V電源のブレーカーと、貯湯ユニットの電源レバーを切り、給水配管専用の止水栓を閉じてから、販売店に連絡するよう案内しています。地震や水害のあとは、水を取り出す前に、機器の状態を確認してください。

コロナ

災害・断水・停電時の「よくあるご質問」を公開しています。断水中は、シャワーや蛇口からお湯は使えないものの、非常用取水栓から、貯湯タンクの水を使えると説明しています。あわせて、飲用は避けることと、やけどへの注意が書かれています。断水の前後の止水栓の扱いや、停電時に給湯できるかどうか(モデルの年式やリモコンのタイプによる)も、このページにまとまっています。

日立

脚のあたりの2本のつまみねじを外して、配管カバーを外すところから始まります。続いて、漏電遮断器を「OFF」にし、タンク専用止水栓を閉じ、逃し弁のレバーを上げ、タンク排水栓のねじを外して、ハンドルを左に回す、という流れです。「熱いお湯(最高90℃)が出る(または途中から高温になる)ことがある」という注意があり、熱に強い容器を用意するよう案内されています(HEBELIAN NET.に掲載の案内による)。取扱説明書は機種によって違うため、自宅の機種のものをご確認ください。

東芝ほか

東芝など、上のほかのメーカーも、公式サイトに断水時の案内を用意していることが多くあります。「メーカー名 エコキュート 断水」で検索すると、公式のページが見つかります。

型番の調べ方

手順を調べるには、機種の型番が必要です。型番は、貯湯ユニットに貼られた銘板のシールに書かれています。前面や側面にあることが多いです。取扱説明書をなくしていても、各社の公式サイトで型番を入力すれば、PDFを入手できることがあります。

スマートフォンで銘板を撮影し、取扱説明書のPDFも端末に保存しておくと、通信が不安定なときにも見られます。今日すぐにできる備えです。

取り出すときの注意点

最初に出るお湯は高温のことがある

取水栓から出るのは、タンクに貯めてあったお湯です。ダイキンは「熱いお湯が出るため、火傷に十分気をつけて」と案内し、日立は最高90℃のお湯が出ることがあるとしています。パナソニックも、お湯や水のどちらも出る場合があるとして、注意を呼びかけています。

熱に強い容器を使い、素手で受けないでください。途中から高温になることもあるため、最初がぬるくても、油断しないでください。子どもやペットは、作業の場所から離しておきましょう。

ホースや容器を用意しておく

必要なものは、ホース、熱に強いバケツやポリタンク、そして懐中電灯です。夜に作業することもあるので、明かりは大事です。ホースの置き場所を確認し、バケツと一緒に、貯湯ユニットの近くにまとめておくと確実です。重い水を運ぶための台車があると、さらに楽になります。

取り出す量にも気をつける

パナソニックは、タンクの中身をすべて取り出せるわけではなく、使える量は容量より少なくなると案内しています。また、水を取り出しすぎると、復旧後に、タンクを満たすまで時間がかかります。必要な分だけ取り出し、タンクにいくらか残しておく判断も大切です。

断水が復旧したら

蛇口の水の濁りが消えてから、止水栓を開ける

復旧後の手順は、断水前の手順と対になっています。まず、水道の蛇口を開けて水を流し、濁りやごみが出なくなったことを確かめます。そのうえで、閉じておいた止水栓を開けます。

コロナは、水の汚れがなくなってから止水栓を開けるよう案内しています。パナソニックも、止水栓を開けたあと、混合水栓の水側(青色)を開けて、水に汚れがないか確認してから使うよう案内しています。ここで数分待つことが、機器を守ることにつながります。

リモコンの時刻を確認する

コロナは、停電のあとにリモコンの時刻表示が「−−:−−」になっているときは、時刻を設定するよう案内しています。電源を戻したら、リモコンの時刻を確かめましょう。時刻がずれると、お湯をつくる時間帯が合わなくなるおそれがあります。

異音や水漏れがあれば、販売店へ

最後に、機器の周りを点検します。地震のあとなら、貯湯ユニットが傾いていないか、配管から水が漏れていないか、運転中に異音がしないかを確認してください。

異常があるときは、ご自身で直そうとせず、メーカーまたは販売店に連絡してください。電気と水を扱う機器なので、感電や漏水のおそれがあります。タンクが倒れないかの確認方法は、「エコキュートのタンクの水は飲める?煮沸の条件と、地震で倒れないかを確かめる3つの方法」で説明しています。

まとめ:平時に、一度手順を確認しておく

  • タンクの水は、断水時に生活用水として取り出せます。飲用は、メーカーで案内が分かれるため、飲み水は別に備蓄しましょう。
  • 手順の共通の型は、①漏電遮断器を切る、②止水栓を閉じる、③逃し弁のレバーを上げる、④非常用取水栓にホースをつなぐ、⑤栓を開けて容器で受ける、の5つです。③を飛ばすと、水が出ません。
  • 断水に気づいたら、まず給水の止水栓を閉じます。復旧後は、蛇口の水の濁りが消えてから開けます。
  • 最初に出るお湯は高温のことがあります。やけどに注意してください。

平時のうちに、できることがあります。取扱説明書の手順を一度読み、止水栓とホースの場所を確認しておくことです。型番の写真と取扱説明書のPDFも、スマートフォンに保存しておきましょう。実際に取り出す練習をしたい場合は、必ず取扱説明書の手順に従い、熱いお湯に注意して行ってください。終わったら、止水栓や電源を、取扱説明書どおりに元へ戻します。

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参考・出典